<参照・引用/夕刊フジ> 2022.1.4 小林 勝

主演・小栗旬が演じる北条義時とは

弱小豪族から権力者へと上り詰め、果敢に生き抜く

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」2022年1月9日スタート

 2022/1/1 10:00 夕刊フジ

 

 <その1>

平安末期から鎌倉初期は権力の座を巡り、熾烈な戦いが繰り広げられた時代といわれる。第61作となるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、そうした時代を舞台に、一筋縄ではいかない人間たちに翻弄されながらも、果敢に生き抜いた北条義時を主人公に描く。見どころ満載の〝新大河〟を人物相関図とともに先取り紹介、事前知識を入れてとことん楽しもう。

 

弱小豪族の次男に過ぎなかった義時が、どのようにして鎌倉幕府の礎を築き、源頼朝亡き後、幕府の実権を掌握するまでに至ったのか。そんな歴史劇を描きたいという脚本家の三谷幸喜氏の提案で実現した今作。義時を演じるのは、大河ドラマ8作目で初の主演となる小栗旬(39)だ。

 

タイトルの〝鎌倉殿〟とは、鎌倉幕府将軍のこと。初代将軍の頼朝(大泉洋)は、〝13人〟の家臣たちに支えられていた。彼らがつくったのが、日本で初めて合議で政治をつかさどったとされる〝13人の合議制〟と呼ばれるもの。しかし、それはやがて残酷な権力闘争へ。最後まで生き残ったのが、最も若かった義時だったといわれる。

 

その後、義時は朝廷の権力拡大をもくろむ後鳥羽上皇を破り、幕府を盤石なものとする。

 

血生臭い戦を繰り返しながらも、戦い続けた義時が守ろうとしたものは何だったのか。波乱に富んだ義時の生涯を描く。さらに、個性豊かな面々から成る北条家はどんな家族だったのか。人間ドラマとしても興味深い。

 

主演の小栗は大河について、「やってみると意外に他の撮影と変わらないが、ゴールが見えてこないという道のりの長さを感じる。ただ、ほぼ毎日撮影しているので現場が生活の一部のようになっているし、こういうのをライフワークっていうのかな、という気もする。居心地はすごくいいです」と意欲を燃やす。

 

「日々、義時のことを考えているので、自分が義時なのか、義時が自分なのか分からなくなってくる。こんな経験ができるのが大河ドラマの醍醐味なのかもしれない」

 

自身が見せる格好良さとして、ゆくゆく見せる馬上で弓を射るシーンを挙げる。「練習を重ねてきたので、ぜひ見てほしい」とアピールした。

 

 <その2>

安元元年(1175)、平清盛(松平健)が権力者として君臨していた日本。伊豆の地では、北条義時(小栗旬)が兄の宗時(片岡愛之助)、姉の政子(小池栄子)らとともにのんびりと暮らしていた。しかし、流罪人の源頼朝(大泉洋)が義時の幼なじみの八重(新垣結衣)と恋仲になり、男児を産んだことで状況は一変する。清盛から頼朝の監視を任されていた八重の父の伊東祐親(浅野和之)は激怒。頼朝は姿をくらます。

その後、祐親は、北条家でかくまわれている頼朝を処断しようと兵を率いて迫る。

 

しかし、義時の父の時政(坂東弥十郎)が頼朝をかばって対立してしまう。両勢力が一触即発の状態となる中、清盛を後ろ盾に相模の武士団を束ねる大庭景親(國村隼)が現れる。目まぐるしい展開に振り回される義時は、政子らの助けを受けて頼朝と富士の山裾に逃げ延びる。

 

治承4(1180)年4月、頼朝と引き離された八重は祐親の家人の江間次郎(芹沢興人)の元へ嫁がされていた。そんな折、頼朝の叔父の行家(杉本哲太)が北条館を訪ねて来る。政子が怪しがる中、渋々対面する頼朝だが、行家は清盛へ反旗を翻した後白河法皇(西田敏行)の子である以仁王(木村昴)の令旨(りょうじ)を携えていた。

 

同年8月、ついに挙兵を決断した頼朝の一党は、伊豆国の目代の山木兼隆を討って初戦を飾るべく戦支度を始める。しかし、頼朝の乳母子(めのとご)である山内首藤経俊(山口馬木也)に助力を断られるなど、強大な平家の威光の前に思うように兵が集まらない。義時は、強気な宗時とは対照的に、自身の浅慮を後悔する。そんな中、北条館対岸の江間館で暮らす八重が義時に声を掛けてくる。